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タイトル名 |
至福のとき |
レビュワー |
ドラえもんさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2003-03-15 00:08:18 |
変更日時 |
2003-03-15 00:08:18 |
レビュー内容 |
チャン・イーモウ作品だからといって身構えて見ると、人によっては案外肩透かしを食らったような印象を受けるかも知れない。意外なほどの軽いタッチに戸惑う人もいるかも知れない。盲目の少女が主人公というだけで、チャップリンの「街の灯」を連想する人もいるようだが、むしろ吉本新喜劇風の人情小噺に近い。近代化が進む都会の片隅で、貧しくとも逞しく明るく生きている人々。その彼らが盲目の少女を励ます為に、ひと芝居打つ姿は実に無邪気であり、愛おしい。設定上どうしても深刻になり勝ちな展開を、努めてコミカルに描こうとする監督の苦心が窺い知れる。ただよく考えてみると、彼らのとった行動は一見美談のようだが、障害者をコケにしていることに何ら変わりがない。盲目でありながら彼らの嘘を簡単に見破ってしまう彼女。障害者が一人で生きていくには、健常者以上に強く逞しくなくてはいけないという事を、改めて思い知らされる。そして新星ドン・ジェが、その強い意志をもった少女を見事に好演している。 |
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