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タイトル名 |
キャスト・アウェイ |
レビュワー |
オオカミさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2004-01-20 13:44:55 |
変更日時 |
2004-01-20 13:57:57 |
レビュー内容 |
トム・ハンクスのひとり芝居を堪能するための映画ですね。中盤の延々と続く孤島のシーン。バレーボール相手に孤独を慰める彼の演技を観ていて、最近のシリアスな演技ばかりのトム・ハンクスだけでなく、初期のスタンダップ・コメディアン時代を思いだした人も多いのではないでしょうか。冒頭のロシアでの彼は時間に追われる仕事人間であったのが、4年間の無人島生活を経て、自分の人生や生き方を見直して生まれ変わるという設定はありがちなものですが、映画を観るすべての人間に対して、「今の生き方をちょっと振り返ってみませんか?」と問いかけている気がします。ところで、珊瑚礁の環礁に波が砕ける音を、私は最初雷鳴と勘違いしておりました。ゼメキスの映画で雷鳴はつきものなので(笑)。また、何度も映される海中で血が流れるシーンは、どうしても「プライベート・ライアン」の冒頭を彷彿とさせるのは仕方ないでしょう(笑)。筏で脱出した後ウィルソンを失うシーンは、ありがちな設定で感動を呼ぼうとしていたけど、「その手には騙されないぞ」と思ってちょっと笑っていました。だって、ゼメキスならきっと何かの”回復策”を作ると思っていたから(その通りに、ラストに登場しますね(微笑))。この映画の間中、トム・ハンクスの目の演技に注目していたのですが、秀逸だったのは、歓迎パーティーのシーンで、ひとり残された彼が、無人島の生活を想い出しながらテーブルの上の品を物色するシーンです。着火用ライターを2回つけるのですが、2度目の点火の後に注目してください。あの目線で、様々なことを語っています。個人的にいちばんぐっときたのは、やはり、結婚してしまった恋人との再会シーンですね。雨の中のキスシーンは切なかったです。彼女が自ら望んで彼を捨てたのではなく、彼のことをずっと思っていたことを示すための、さまざまな捜索資料が山積みになった部屋を観たとき、私は感動してしまいました。そこまで思っていても一緒になれなかったことに人生の不条理と悲哀を感じます。 |
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