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タイトル名 |
戦場のピアニスト |
レビュワー |
オオカミさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2003-11-16 00:33:39 |
変更日時 |
2003-11-16 00:33:39 |
レビュー内容 |
予告を見たときの期待度は8から9点は行くのかなと思ったのですが、観終わった正直な感想は、期待が大きかっただけに物足りないなという印象です。「ホロコースト」や「シンドラーのリスト」のように強制収容所の中を描いたのではないが、ゲットーでの迫害の様子は描かれていたのは、新たな実状を示す意味はあったと思いますが、時間の経過に対する描き方が、歴史を知らない人には今ひとつ伝わりにくかったと思います。1939年、1943年、1944年、1945年のそれぞれの段階での戦況やを知らない場合、年号だけではその背景を理解するのが難しいと思われます。実際のところ、1939年から1945年の初春までは、ポーランドはナチスドイツの支配下にあり、その中でのユダヤ人迫害だけでなく、ポーランド人への迫害もあったわけです。また、ソ連軍はポーランドの解放者というには語弊があると個人的には感じています。たしかに、強制収容所やゲットーの開放に関与したとは思いますが、1939年にポーランドをナチスの手に渡した背景には、ソ連との密約があったわけだし、1945年にワルシャワを目の前にしたソ連軍が、ナチスドイツに対するポーランドの市民蜂起を見殺しにしたのも事実ですから。主人公のピアニストは、そういうことはほとんど知らずに、迫害を避けて隠れていた設定ですから、ああいう描き方になるのも仕方ないのかもしれませんね。もちろん、市民蜂起の場面を目撃するシーンも描写されていますが、あれは、1945年の大規模なものではないのです。ただ、ポランスキーはああいう市民蜂起がありそれがナチスによって押さえ込まれたという事実を描きたかったのでしょう。主人公は外に出ることはできないから、1945年の大蜂起は描けないかわりに、あのシーンを入れることでそれを代弁させたかったのかもしれません。射殺されて路上に前のめりに倒れた女性の死体の脇を、主人公が逃げていくシーンは印象的でした。その後の彼を助けたドイツ軍将校が収容所で死んだというのは残念でしたね。ところで、主人公の隠れていた、病院の前の建物を砲撃する戦車なんですが、あの時期(1944年でしたっけ?)に4号D型らしきものが現役だったんですかね?せめてFIIかH型だったのではないでしょうか? |
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