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タイトル名 |
永遠のマリア・カラス |
レビュワー |
ルクレツィアの娘さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2004-08-16 22:50:03 |
変更日時 |
2004-08-16 22:52:03 |
レビュー内容 |
才能が枯渇したとき、若さを失ったとき、人はどう生きるか。もはや取り戻せない輝いた時間を思いながら、老いを受け入れ、生きていくことの苦さ。マリア・カラスという天才をモチーフに、普遍的な物語を描きあげている良作な映画だと思う。ファニー・アルダンが、ファンが思い描くとおりの美貌のマリア・カラスを演じていて素晴らしい。途中から、ファニー・アルダンという女優の物語のような気もしてくる。普遍性のある物語なのが、裏目に出ているような感じもする。謎に包まれて伝説になっていたマリア・カラスの晩年に、「こんなこともあったかもね」という、あくまでも想像の話として作られた物語だということだが、実話風につくっちゃったために、有り得ない~と思ってしまうのも、難点。でも、映画の中では、マリア・カラス役としてのファニー・アルダンが演じたカルメンの映像に、実際のマリア・カラスの声が当てられているわけで、オペラファンとしてはちょっと幻想的な世界である。発想としては非常にうまいところをついている物語だと思う。個人的には、ジェレミー・アイアンズの長髪が、妙な軽薄さを生んでいて、面白かった。ロックもバレエもプロデュースする仕掛け人として成功してるけど、本当の芸術も追究したいという、欲張りな男のロマンを、女がたしなめるラストが、印象的だった。 |
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