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タイトル名 |
デルス・ウザーラ |
レビュワー |
へちょちょさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2003-01-14 02:04:55 |
変更日時 |
2003-10-31 04:31:24 |
レビュー内容 |
黒澤が「どですかでん」以来、久々に監督した日ソ合作の名作。デルス役には当初、三船敏郎を予定していたが、長過ぎる撮影期間に断念。現地の俳優マキシム・マクシモヴィチ・ムンズクが選ばれた。適役であった。三船には大自然の使者デルスを演じるのは恐らく無理だったろう。都会の垢にまみれ過ぎている。1年に亘る現地ロケ、ソ連の威信を賭けての全面協力は奇跡のような美しい映像を生み出す事に成功。雄壮なシベリア・ウスリー地方の大自然をここまで見事に捉えた映画は他に知らない。ただ、原作であるウラジミル・アルセニエフの探検手記に描かれた実際のデルス・ウザーラの人間像は映画の数倍魅力的であり、充分に描き切れていない部分も目立つため、やや減点。友情の証しとして視力の衰えたデルスを慮ってアルセニエフのプレゼントした最新式の銃が仇となり、行きずりの強盗に銃を奪われ他殺死体で発見されるデルス。余りにアイロニカルな結末は、自然を人間の価値観のみで手を加えた事への痛烈な返礼にも思えて象徴的である。75年アカデミー外国語映画賞・受賞。 |
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