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タイトル名 |
十二人の怒れる男(1957) |
レビュワー |
鱗歌さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2007-09-24 20:46:41 |
変更日時 |
2007-09-24 20:46:41 |
レビュー内容 |
密室劇でありながら超ハイテンションムービー。最初、12人が集まり雑談している間は、コチラにも余裕があるもんで、「オヤ、今、カメラの影が写ったのでは?」なんぞとイロイロ雑念も沸くが、議論が始まったらもう、やめられない、とまらない。作品のテーマは、“付和雷同”。言うまでもなく、真犯人は被告の少年に決まっておるのだけれども(笑)、とりあえず声の大きいヤツorよくしゃべるヤツがその場の雰囲気を決めてしまう。証人の鼻にメガネの跡があったなんて、当然だれも憶えていようハズがないのに、皆「ああ、そういえば・・・」となびいてしまう。陪審員制度って、こんなにオモロイ制度なんだね。ミステリならば、最後は真犯人がつかまってくれないと困るので、陪審員の中に真犯人がいて、探偵役がそれを暴いて終わらなきゃならないけど、本作は、あくまで、市民が陪審員としての責務を果たす話。穴ダラケの裁判を「穴ダラケだ」と指摘するだけ、という、いやこれが何だかサワヤカなんだ。最後になって初めて名前を名乗りあうというオチも気がきいてます。(あくまで民主主義の基本である「多数決」ではなく、「全員一致」というのがミソですね。多数決とは、“不満”を、質ではなく量でミニマムにすること。AかBかを決めるのに、「Aでなければ絶対困る」という“1人”と、「どっちでもいいけど強いて言えばB」という“その他全員”がいたら、大抵、Bが選ばれるというシステム。その“過程”に、この映画のようなドラマは生まれない。そのもたらす“結果”は、またある種のドラマを生みそうだけどね、うふふ)。 |
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