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タイトル名 |
キング・コング(2005) |
レビュワー |
鱗歌さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2006-12-10 22:28:29 |
変更日時 |
2006-12-10 22:28:29 |
レビュー内容 |
『ロード~』で好きホーダイやり過ぎ、一方的過ぎてちょっとついていけない面もあったが、今回は“キングコング”というSFスペクタクルの原点、いわば共通土俵での勝負。これが結果的にいい方に転んだ気が。冒頭の見通しのよいNYの光景→閉塞感に満ちた船内の光景→ついにドクロ島に到着!良くも悪くもピーター・ジャクソン語法が炸裂するゲーム風スペクタクル→再び見通しのよいNYを舞台に最後のバトル! ってな感じの“映像的起承転結”が、流れとして悪くない。33年版の流れに沿ってこれを利用しながら(露骨に彷彿とさせる、パロディ的シーンも)、「今だからこそ作れる映画」としての味付けもまた、行き届いております(ケーハクな時代のケーハクな映画。ケーハクさを徹底的に追い詰めたなら、それもまた時代のモニュメントたりうる、のかも)。まず、コングに囚われたヒロインが、徹底的に振り回される。これは表向きはコングが彼女に愛情をまだ持っていない証なんだろうけど、こんなことされたら普通死んじゃう(33年版も76年版も表現できなかった点)。でも死なない。これはいわば「これから映画の中でムチャクチャしまっせ」宣言。宣言どおり、この後はデタラメなモンスターがデタラメに登場しまくる、デタラメな展開。これが楽しくって楽しくって、しょうがない。白眉は3頭のゴジラ(?)との対決。さすがの円谷英二もここまではできなかった(バカバカしいから?)。ヘッドロック、フライングメイヤー、キャメルクラッチと、基本に忠実、地味なワザのオンパレード。勝った後のコングの表情、つい「ヨッ、いいオトコ!」と声をかけたくなる、なかなかの男前。ヒロインの目もハート型(ウソ)。彼女を守りつづけるコングが、エンパイアステートビルでの最後の戦いでは、彼女を手放し、下に置く。彼は死を決意したのだ。コング転落後に写るヒロインのドレスは、まったく汚れの無い純白。こんなことは勿論ありえない。ここでは、彼女がまさに「守られた」ことが象徴されているのだ⇒いやあ、なんと直接的なワカリヤスイ表現でしょう。深みが無いですね。はっはっは。 ※ところで囚われのヒロインがコングの前で芸をするシーン。子供の頃、動物園で見かけた光景を思い出した。檻の前でゴリラをからかうオッサンがいた。ゴリラは非常に興奮してた。 |
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