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タイトル名 |
天使のはらわた 赤い教室 |
レビュワー |
鱗歌さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2022-01-29 09:43:14 |
変更日時 |
2022-01-29 09:44:15 |
レビュー内容 |
過激な性描写があってこそ描きうる、切なさ、虚無感、そして人間の業に潜む狂気と恐怖。まさにポルノというジャンルの真骨頂。 物語を額面通りに受け取れば、「かつてレイプの現場をブルーフィルム(死語かな)に撮られ、自殺未遂を犯し、今また自分の前に現れた不器用ながらも誠実そうな男に裏切られ、自己破壊的な道を辿る薄倖の女性」。ってことになるのかもしれないけれど、この作品、印象としては、その枠に収まらない「何か」があります。 上述の物語の概要は、あくまで主人公・村木の視点によるものに過ぎない訳で。いや、彼の見ていないところで我々が目撃する彼女の姿からも、「そうかも知れない」と思わせるものがあるのだけど、それはあくまで「かも知れない」に過ぎない訳で。 結局、村木は、そして我々は、自分たちが勝手に描いた幻想に囚われ、苦しんでいるだけなのかも知れない。悲しい運命に絡め取られた女性、という幻影に囚われた、囚われざるを得ない、男の悲しき滑稽さ。残酷なまでの滑稽さ。 中盤の10分以上にわたって繰り広げられる、凄絶なまでの濡れ場シーン。ほとんどホラー、なんだけど見てて切なくもなってくる、人間の弱さ。ラスト、2人の姿を遠くから捉えたショットは、前半の公園のシーンの変奏でもあり、それだけに、もう元には戻れないという感覚が。そして女は、揺らめく水面の幻影の中に消えていく・・・。 |
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