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裸の拍車 - 鱗歌さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 裸の拍車
レビュワー 鱗歌さん
点数 9点
投稿日時 2025-01-12 10:27:09
変更日時 2025-01-12 10:27:09
レビュー内容
大自然を背景に描かれる、5人の登場人物。この5人がそれぞれに、油断ならないのです。と言っても、明確な下心を誰かが持っている訳でもないのだけど、どこか、不安定。微妙な人間模様が描かれます。ヒーロー役であろうジェームズ・ステュアートですら、最初は保安官であるかのようなことを言っていたのに、何だか怪しい話になってくる。とりあえず、道中知り合った二人とともにお尋ね者を捉えてみると、彼の娘だか何なんだかよくわからん若い女性ジャネット・リーが一緒にいて、彼女が一番マトモと言えばマトモなんですが、そういう女性が一人、この一行に混ざっているだけで、充分に不穏な空気が漂います。ある意味、このヒトが一番、油断ならないかもしれない。
そんな5人の背景には、彼らの存在など素知らぬ風の大自然が広がっており、急流には轟々たる水の流れが。
途中、先住民との戦いになったりして、こんな風に先住民を惨殺するシーンを割とアッサリ描いちゃうのも、今の目で見ると大丈夫か?と思ったりもするのですが、アッサリ描いているだけかと思うと、さにあらず、彼らが立ち去る前に先住民たちの死屍累々たる様を振り返るシーンを挿入することで、後追いでその残酷さ、ショッキングさを描くとともに、5人の行く手がますます不穏な空気に満たされていくような予感を色濃く感じさせます。
映画の最初の方の落石シーン、撮影用のニセモノの石なのか、それとも本物の石なのか。ニセモノとは思えない重量感を感じさせる石が落ちてきて、いやしかし本物だったらえらく危険な撮影ですが、とにかく凄みがあります。それ以外にも、険しい崖を登るようなシーンも再三あったりして、自然の厳しさってのが、物語の背景に常に存在しております。
この大自然を舞台にした、立体感あるガンファイトがこれまたイイのですが、しかし所詮、人間の存在などこの場においては矮小なものに過ぎず、そういった人間たちのゴタゴタなんぞ、大自然はいともたやすく呑み込んでしまう。
運命。ですね。
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2024-12-15日本侠客伝 刃77.00点
2024-12-07どぶ鼠作戦87.80点
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