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タイトル名 |
ショーシャンクの空に |
レビュワー |
鱗歌さん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2018-02-03 02:47:19 |
変更日時 |
2018-02-03 02:47:19 |
レビュー内容 |
私の周りにも、この作品に惚れこんでいる人(あるいは少なくとも、惚れ込んで「いた」人。今でもまだ惚れ込んで「いる」のだろうか?)ってのは確かにいたけど、私にはどうもよくわからなくって。そういや私は3人きょうだいで映画の好みは3人それぞれ見事にバラバラだったんだけど、この映画に関しての「確かに退屈するほどではないけど、とりたててイイというほどでも・・・」という感想は、妙に一致しており、なんだこれは、一種の家系的なものなんだろうか。 いや、最近また観てみたところ、少し退屈しかかってしまいました。この映画が好きな人、ごめんね。 作品の構成自体が、いかにも「総集編」か何かを見せられてる感じで、気分が乗ってこない。主人公が、こんな目にあったんだそうです、大変だったんだそうです、という解説をパラパラと見せられて、サラサラと映画は進んでいく。いや私が、映画で見たい・映画から感じ取りたいのは、そういう「結論」ではなくて、ツラさ・過酷さ・大変さというものそのもの、いわば「過程」なんですが。 モーガン・フリーマンの目を通して描くことで、主人公の内面を封印して見せるのも、確かにアリだとは思うけれど、でもその内面を間接的にでももう少し示唆してみせることだってできるだろうに、これじゃあまりに、伝聞的に過ぎるのでは。何だか、この主人公ならどんな事にでも耐えて当然、みたいな感じにすらなってしまう。 結局のところ、作品全体をお伽噺風のオブラートにくるんでしまったことが、緊張感をことごとく削いでしまっている。背景に厳然と存在するはずの刑務所の過酷さが伝わってこない。懲罰房に閉じ込められる過酷さは、一体どこに? 長い長い年月のお話らしい。相当永く耐えているらしい。セリフでそう言ってるから。残念ながらそれを感じ取ることは、ちっともできないけれど。 一番ゲンナリしてしまうのが、主人公が無断で刑務所内にレコードを放送する場面。自分が好きな曲を無理やり全員に聞かせよう、って発想が実にくだらないし、それに反応してすべての囚人が耳を傾ける姿もアホらしい。軽薄なばかりで、ちっとも美しいシーンであるようには見えません(せめて、誰も聞いてない中でモーガン・フリーマンだけが聞いてる、ってんなら、まだしも)。音楽ってのは、もっと「個人的なもの」だろうに、と思っちゃうんですけどね。少なくとも、私にとっての「音楽への愛」というものは、このシーンからは微塵も感じられませぬ。 |
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