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タイトル名 |
第三の男 |
レビュワー |
鱗歌さん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2016-03-27 08:47:25 |
変更日時 |
2016-03-27 08:47:25 |
レビュー内容 |
この映画音楽と、シュトラウス2世の「ウィーンの森の物語」が無かったら、ツィターなんていう楽器、名前も知らなかったかもね。で、久しぶりに『第三の男』を観て、この音楽を聴くと、つい口ずさみたくなり、何となくビールが飲みたくなってくる。でもこの音楽が何のビールのCMで流れていたのかは忘れたので、とりあえず両方を合わせて「第三のビール」を飲むことにする。何のこっちゃ。いや、好きですよ、ヱビスビール。 本作、内容的にはミステリー。友人ハリーからの手紙を受けてウィーンにやってきた作家ホリー(この名前が似ている点も、後の展開で描かれる三角関係にうまく織り込まれる)、しかし到着早々、ハリーが事故死したことを告げられる。だが、何やら曰くのありそうなヒトから無さそうなヒトまで、様々な登場人物が、その事故のウラに何かありそうなニオイを漂わせる。事故の現場にいたという3人の男、うち2人は判明しているが、では3番目の男は誰なのか。 前半に提示される謎に対して、その謎解き自体は比較的アッサリと行われますが、作品のもう一つの見どころはウィーンの街における追跡劇で、後半における大きな見せ場ともなっています。作品自体がウィーンの名所案内(表も裏も)みたいな要素もあって、表がプラーター公園なら、裏は下水道といったところか。さらに時代を反映して戦争による破壊の跡も残っていたりして。そういうちょっと迷宮じみた夜のウィーンに、追うものと追われるものの影が交錯する。 この映画、画面が頻繁に傾けられて、これも不安で落ち着かない感じを醸し出してます。いや実際、あまり頻繁にカメラ傾け過ぎなのかも知れませんけれど(笑)、ふとしたとき(ハリーが、「ある男」を追いかけて、見失った瞬間など)、傾いていない画面がかえってどこか、取りつく島のない感じを出していたりも。 という訳で、やっぱり面白いですねえ、この映画。オーソン・ウェルズの斜め前向きのワルそうな表情も、有名なラストシーンも、いいんですけど、最高の名演は、あのネコちゃんということで。 |
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