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どぶ鼠作戦 - 鱗歌さんのレビュー
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Web www.jtnews.jp

タイトル名 どぶ鼠作戦
レビュワー 鱗歌さん
点数 8点
投稿日時 2024-12-07 08:33:05
変更日時 2024-12-07 08:33:05
レビュー内容
いや~。カオスですねえ。
ほとんど実験的とでも言えるような意表をつく場面転換の数々。それが作品のリズムとなり、ユーモアとなって、前衛性と娯楽性とが見事に結合しています。物語も、どこに繋がるのやら、どこまで広がるのやら。見てるうちにいったいこれが、何の作戦だったのやら、見てるうちによくわからなくなってくる、というより、どうでもよくなってくる。そういや、捕らえられた参謀の救出作戦だったっけ、と最後の方になってようやく思い出し、ああやっぱりどうでもよかったな、と再認識したりして。こういうカオスぶり、作品のカラーは全く違うけど、何となくセルジオ・レオーネ作品を思い出したり。『続・夕陽のガンマン』とか。
この作品に西部劇風のシーンが取り入れられていることも、そういう連想に繋がるのですが、1962年の作品ということで、一連のマカロニウェスタンよりもこちらの方が、先。
ユーモアにあふれた作品ではありますが、時にそれは、ブラックでシニカル。なにせ人の死が間近にある戦場。その残酷さを、煽るでもなく素知らぬ顔で作品の中に入れ込んでくる。その何気なさがかえって、戦争の理不尽さに対する怒り、告発ともなっていて。
とは言え、基本は戦争アクションであり、一種のスパイ映画でもあって、娯楽性には事欠きません。ちょっとイビツな面白さ、ではあるけれども。結局のところ、他人なんて誰も信じちゃダメよ、ってことなんですかねえ。信用し過ぎないところに生まれる、ちょっと粋な信頼関係。
それにしても、ヒゲの無い夏木陽介は、怖い。。。
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