みんなのシネマレビュー
悪の教典 - 鱗歌さんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 悪の教典
レビュワー 鱗歌さん
点数 7点
投稿日時 2021-05-16 23:49:31
変更日時 2021-05-16 23:49:31
レビュー内容
表向きは好感度抜群だが内側には暗黒を抱えた高校教師が、一晩で生徒全員の抹殺を企む、という、現代版八つ墓村。ハスミ先生が生徒たちを血祭りにあげるだなんて、小説だからいいようなものの、映画だと、ちょっと違う意味に捉えられそうな。この業界には、もっとオソロしいハスミ先生が実在してますから、ねえ。
それはともかく、この「悪の教典」、原作には、「そのようなジェノサイドは実行可能か?」という疑問に対する思考実験みたいな側面があって。まず、血も涙もない暗黒の方程式に基づくハスミン氏の内面を描いて動機の部分を構築。そんでもって、恐怖の一夜が始まるのだけど、思えば13金のジェイソンなんて、無意味に神出鬼没だったり(絶対、ジェイソンはスタッフの手を借りてると思う)、はたはた急にドン臭くなったり、随分といい加減なヤツでした。しかし実際の人間は、あんなに神出鬼没の行動は取れないしスタッフの手も借りられない。襲われる方だって、逃げたり隠れたり、反撃を試みたりもするワケで。その中でいかにして殺戮を成立させるか、先生と生徒との命がけの知恵比べがそのまま作者の挑戦ともなって、一種の詰将棋みたいな小説になってます(そこが少し野暮ったくもあって。私の中での貴志祐介三大作品は、「黒い家」「天使の囀り」「ガラスのハンマー」。「悪の教典」や「新世界より」が、ちょっと劣ると思ってしまうのは、その三作があまりに圧倒的だからでもあるのですが)。
で、この映画化にあたっては、その辺りがうまく再構築されています。最初の方で「それもこれも伏線です」みたいな描写が連発されるのはいただけないけれど、それ以外の点では、描写の断片化によって理屈っぽさを排除し、シーンごとの映像の力、不穏な雰囲気で映画を引っ張っていて。原作の「小説としての魅力」はそぎ落とさざるを得なかった部分もあるにせよ、それを補う「映画としての魅力」があり、よく練られていると感じます。
伊藤英明も、役に完全にハマってます。もしかして彼をモデルにこの小説が書かれたんじゃなかろうか、と思えてくるほど。
ところで、最後にto be continuedと出てきますが、もしかしてあの文庫の最後に載っていたオマケ小説を映画化する? さらに映像化困難と予想されますが。
鱗歌 さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2025-03-23ハンバーガー・ヒル86.07点
誰かに見られてる86.04点
2025-03-22トリプルX95.66点
2025-03-15新・座頭市 破れ!唐人剣88.00点
2025-03-09追跡者(1998)65.81点
2025-03-02トライアングル(2009)87.11点
2025-03-02西部に賭ける女75.80点
2025-03-02座頭市御用旅66.75点
2025-02-24甦える大地56.33点
2025-02-23モータルコンバット(2021)55.53点
悪の教典のレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2025 JTNEWS