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タイトル名 |
ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書 |
レビュワー |
鱗歌さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2023-01-28 18:51:28 |
変更日時 |
2023-01-28 18:51:28 |
レビュー内容 |
昨今、日本では、マスコミならぬ「マスゴミ」なんて言われたりして、ジャーナリズムというものに対してどこか軽く見る風潮があるけれど(単に興味が無いだけかもしれない。興味が無いものを軽んずる悪いクセが出ているだけかもしれない)、ジャーナリズムとマスコミとは、いったん分けて考えた方がいいんでしょうなあ。 この作品見てると、アメリカではまだ、マスコミというものに信頼、期待が持たれているんでしょうか。そしてそういう信頼、期待にちゃんと応えているんでしょうか。羨ましい気もするし、少し面倒臭い気もしてしまう。いかん、めっきりスポイルされてしまっているらしい。 いわば、マスコミと国との対決が描かれていて、正直、たいして大きな事件は起きません。いや、たぶん大事件なんですけど、危機一髪みたいな展開はありません。スピルバーグがなぜ殊更にこの題材を選んだのか? 反・トランプ大統領がキッカケであるように言われているし、実際そうなのかもしれない。しかし、かつて「マスコミ」は国家権力を相対化させてきたとは言え、今やソーシャルメディアの普及により、「マスコミ」自身が相対化されてしまった訳で。権力自身も(そしてその対抗勢力も)ソーシャルメディアを活用し、それはトランプ氏の専売特許でも何でもなく、いまや怪しい情報が錯綜しまくって。今のウクライナ情勢などに至っては、もはや何を信じてよいのかわからない・・・。 この映画の物語は、今となっては一種のお伽噺なのかもしれないけれど、それでも歴史の1ページ。スピルバーグ版の『大統領の陰謀』。派手に煽ることなく、物語は着々と進められていく。そういう作品の中で、メリル・ストリープの派手な演技、ってのは、ちょっと際どいものもあります。際どいんですが、何とか踏みとどまったかな、と。映画は彼女色に染まることなく、我々に歴史を突きつけます。 でもあのラスト近くの、新聞社のシーン。いかにも、「我々はこの印刷機で、戦ってます」といった感じの、秘密基地のような描写。やっぱり何か、ロマンを感じている、いや、感じたい、んでしょうか。 |
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