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タイトル名 |
ファム・ファタール(2002) |
レビュワー |
鱗歌さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2010-04-25 09:24:46 |
変更日時 |
2010-04-25 09:25:44 |
レビュー内容 |
これはオモシロイ! 面白すぎてびっくりした。デ・パルマ、もうこれ以上の作品は撮れんだろ、あとはゆっくり、ラジー賞の受賞を目指して余生を送って下さい。一応ネタバレ表示しておくけれど、それでもストーリーに関しては語らない、語りたくない。語るほどのもんでもない、という気もするし(笑)。ストーリー(オチ)が面白いかどうかより、何がどうなっているのか、この先どうなるのか、映画にひたすら幻惑され続けるスリルこそが、本作の魅力。全部の手がかりをフェアに提示するゲーム性だけが良いミステリの条件とは限らないのです。お得意の長廻しに始まり、犯罪の過程が同時進行で描かれる、緊迫感に満ちた映画導入部。しかし、そこから先はもう、先の見えない、映画の迷宮です。映画中盤、バンデラスがフランス警察の取り調べを受けるシーンで、ここでも例によってカメラ長廻しが用いられます。結構長くカメラがまわっているのに、背景の壁掛け時計の時刻が一向に進まない。時計止まってるんじゃない、小道具さんのミス? いえいえ。その「止まっている」時計の指す時刻にご注目。ちゃんと意味があるのです! むしろ、(小道具さんの準備した時計は動かないのに)音声さんはちゃんと時計のコチコチという効果音を入れているのが、芸が細かいですな。本作の音楽は坂本龍一、ワタシ、このヒト、どうも苦手。苦手なのに、曲を聴くとイイなあ、と思ってしまうので、ますます苦手になる。って、これでは全然、苦手な理由になってませんけどね。いや本作の音楽も、良かったです(笑)。メインのテーマは、ラヴェルの「ボレロ」っぽいですが、どうもこういう音楽を聴くと、「ボレロ」よりむしろ、ヴォイチェフ・キラルの「エクソダス」とか、早坂文雄の『羅生門』の音楽を思い出してしまう。パクりパクられる、音楽の歴史。パクリと言うと人聞き悪いですけど。 |
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