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タイトル名 |
アウトブレイク |
レビュワー |
鱗歌さん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2016-05-22 08:54:52 |
変更日時 |
2016-05-22 08:54:52 |
レビュー内容 |
随分久しぶりに観ましたが、やっぱり、何なんでしょうね、この映画。前半はカサンドラクロスで、後半はカプリコン1と化す、というスペシャルコースのはずなんですが、あまりワクワクしない。そもそも、題材のわりに、あんまり怖くないんですよね。アメリカのとある田舎町に殺人ウィルスがもたらされ、町が封鎖される、これがまず、演習か何かみたいな光景で、ちっとも怖くない。別にリアリティなんて無くったって、もっとコケオドシの圧迫感を感じさせるような封鎖の光景を演出してくれれば、イイんですけどね。カサンドラクロスは閉塞状態の不気味さが出てましたし、逃げ出そうとするヤツがいればそこに危うさも感じさせました、本作にも逃げ出そうとするヤツが出てきてヒドイ目に合ったりはするものの、雰囲気は何とも、のどか。 もっとも、あまり悲惨な描写に走らず、人と人の対立もなるべく殺す・殺されるという描き方を避け、あくまで楽天的に仕上げている映画だな、ということはわかるのですが。それにしても題材が題材ですから、パニック映画らしさは、何とかもう少し盛り込んでもらえなかったものか。 例えば、感染の舞台となる町の住人の中に、主人公の知人を混ぜておき、その人物の視点で町の内側を描くとか。本作では基本的に町の人々が「名もなき通りすがりの人」扱いで終わっており、感染が広がる過程の描写も説明的過ぎる印象。 あと、ウィルスの宿主を突き止めていく後半も、これはさすがに描写を端折り過ぎでしょう。ボートに飛び移る場面とか、麻酔銃を撃つ場面とか、見せ場はそれぞれ準備してくれてはいますけど、そもそも「ウィルスを抑えるためのカクカクシカジカの手順」に物語を縛られるあまり、雑多なエピソードが、間を端折って並べ立てられてしまうことになる。これが、悪い意味での「ご都合主義」との印象に繋がってしまってます(例えばカサンドラクロスにおける伝染病収束は、良い意味の「ご都合主義」だと言えるでしょう)。 いずれにせよ、パニック映画としては多少弱くとも、アクション、サスペンス、ユーモアを交えながら、正義感や勇気といったものを素朴に描いて見せた、イヤミの少ない映画ではあるかと。 |
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