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タイトル名 |
追想(1956) |
レビュワー |
鱗歌さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2013-03-23 23:37:46 |
変更日時 |
2013-03-23 23:37:46 |
レビュー内容 |
アナスタシア生存伝説に基づくオハナシ。アナスタシアとしてデッチ上げられる女性をイングリッド・バーグマンが演じ、2度目のアカデミー主演女優賞を受賞。彼女はデッチ上げられたニセモノに過ぎないのか、それとも嘘から出た誠、本物のアナスタシアが発見されたのか。そして彼女を利用しただけの筈なのに心が揺れ動くユル・ブリンナー。ロマンスあり、サスペンスありで、楽しめる作品なのです。クライマックスとも言うべき、皇太后との謁見の場面。皇太后は彼女がアナスタシアであることを信じず、「演技」だと罵るのですが……そりゃそうでしょう、何しろ、「映画」ですから、もちろん演技です。もちろん彼女はアナスタシアでは無く、イングリッド・バーグマンですから。はい、これは、とんでもなく時代を先取りしたかも知れない、とってもメタなシーンですよ。「あなた、それ、演技でしょ」なんて、一種の禁句。かつて元横綱・双羽黒の北尾光司がプロレスのリングで相手に「この八百長野郎!」と叫んで追放された、アレと同じくらいの禁句です。それに対し、バーグマンは「これは演技ではない」という演技をしなければならない訳ですが……実は我々の方こそが、「演技」というものをどう捉えるか、を問われているのやも知れないのです。ラストの顛末が、主演2人の「演技」によってではなく、彼らがそっと退場することによって示されるのもまた、シャレていると同時に、賢明で無難な選択と言えるのかも。 |
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