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タイトル名 |
華氏911 |
レビュワー |
鱗歌さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2008-11-30 16:23:42 |
変更日時 |
2008-11-30 16:27:11 |
レビュー内容 |
何でもこの映画、カンヌ映画祭に出品されて「なかなかよく調べたで賞」を受賞したらしい。正直、この映画の内容については、どう考えていいのか、あるいはどう感じていいのかすら、よくわからないところがある。いわゆる軍産複合体などのお馴染みのネタについての、ドキュメンタリーという体裁ではあるけど、その中には“破線のマリス”が充満している。そんなこんなの結果、民主党小浜氏の勝利により、問題続出のブッシュ政権は、世界恐慌というあまりにもクサい最後っ屁を残して、今、ついに終わろうとしている。では今後状況な今よりマシになるのか?それはわからない。アメリカという国の歴史は、他国を蹂躙し不平等条約を押しつけ遮二無二覇権を目指してきた歴史であろう。それは手を変え品を変え、今でも続いている(もちろん自国に有利なように働きかけるのは、どこの国でも同じだけど……それ「自体」を商売にしてしまっているのが、アメリカではないか)。そういう観点からすれば、所詮この映画で主張されてることって、我々から見れば、正義vs悪の対立でも何でもなく、ただの「対岸の国の中での、ケンカ」に過ぎない。アメリカはいつまで経ってもアメリカだ。……ただし、ただし。やっぱりこの映画、面白いんだ。これだけ見事に「ブッシュ=悪人」というテーマで映像作品を作っちゃう手腕は大したもの、ホトボリの冷めた100年後くらいにこの映画を観た人の中には、「このブッシュって人、オモシロイねえ」とブッシュ・ファンになっちゃう人も続出するのではないだろうか(笑)。そしてまた、この映画は、前半は全速力でブッシュをボロクソけなしつつも、後半は、戦争というものの持つ問題に(意図してか、意図せずにか)踏み込んでいく。だから、観てて、ツライ。本当にツライ。いや、戦争に限ったことではなく、人が人を殺めるという、人間の歴史、人間の将来、そういったものが、重くのしかかってくる。考えすぎか?そうかも知れない。でもやっぱり時々は考えざるを得ない、今この瞬間にも、誰かのもとに何らかの不幸が訪れ続けているのだ。何か手はあるのか?我々に救いはあるのか? 少なくとも、ブッシュの退陣が、その解決には、ならないだろう。 |
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