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タイトル名 |
襤褸と宝石 |
レビュワー |
すぺるまさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2014-01-04 03:16:25 |
変更日時 |
2014-01-04 03:16:25 |
レビュー内容 |
映画を観ていると、何気ないことがふと気にかかるときがある。 その瞬間というのは大概が、後々に、ああ、成る程ということになるもので、 そういう反復、連鎖、というものが描かれる映画はやはり面白い。 この言わずと知れたスクリューボールコメディの傑作『襤褸と宝石』にもそんな瞬間がある。 それは冒頭、ゴミ処理場で暮らすある男のところに上流階級然とした女と男がやってくる (この時のその男の後ろに車が滑り込んでくるワンショットも凄く好い) ところであるが、その男の汚い手を最初に躊躇いもなくしっかりと握る妹という、 このちょっとした何でもないことが、何故だかふと気になるのだ。 あんな汚い男の手をあんな身なりの綺麗な女が躊躇わずに握りしめる。 姉などは近付きたくもないというような振る舞いであったではないか。 そういったことが気になるのは、まぁごくごく普通のことだろうが、 それは何故かこの映画の忘れられない瞬間となる。 この瞬間は、この映画の先を読める瞬間でもある。 話は進み、映画も終幕間際である。 男は成功するわけだが、そこにその妹は転がり込んでくる。 勿論、そこはあのゴミ処理場の跡地である。 そしてラストショット、その妹はしっかりとその男の手を握り締めているのだ。 しかも、それは婚約の誓いとしてだ。ああ、成る程なと。 これが映画であると信じている。 |
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