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タイトル名 |
イヴの総て |
レビュワー |
キリコさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2004-05-11 23:16:43 |
変更日時 |
2004-05-15 15:24:31 |
レビュー内容 |
ずっと見たかったこの作品をようやく見たらその素晴らしさにびっくり。同じ10点でも上座の座布団3枚!演劇界の内幕話だがこんなことは今もなお繰り返されていることだろう。ことに映画・演劇などショービズ界の人たちが見たらリアルに実感するのではないか。40歳を超えて女優としてはゆるぎない立場にあるマーゴだが、それも女として平凡な幸せを犠牲にして勝ち得た名声。そんな彼女を賞賛するファンの身の上話にほだされ付き人にしたのがイヴ。彼女はどこから見ても誠実そうで謙虚で気が利いてと誰もが好感を持つような女性。最初は見てる私もそう思った。しかし女の勘は鋭い。まずマーゴが気の利きすぎるイヴに不快感を持つ。古い付き人の女性も「理屈じゃない」と嫌悪感をだく。本性を表しマーゴの恋人に言い寄るイヴだが、「とんでもない女!」とはねつけた年下の演出家はお見事。すると次に脚本家を狙い、、と関係者を取り込もうとするイヴの野心はすさまじい。見ていくうちに「まぁ、なんて嫌な女!」と分かるのだが、これを知るのはほんの数人だけで人目にはあくまでしとやかで謙虚な人物にしか見えない、、何が素晴らしいってまず脚本、こういった驚愕の裏話や人物それぞれが鮮やかにあぶりだされて、しかもオチまでついてて、ラストの万華鏡に映る何十人もの新たなイヴを見せるなんてのは素晴らしい。セリフでもベテラン女優が名声以外の幸せを望んで言う言葉など印象深いものがたくさんある。バクスターも悪女を好演してると思うが、B・ディビスは女優としても女としてもその立場を脅かされる不安や葛藤を見事に表現して素晴らしい。しかしアカデミーで14部門にノミネートされ6部門も受賞したのに主演女優賞はなし。映画を地でいくようなこのエピソードは小ネタで、、、駆け出しのマリリンも意外にセリフが多かった。この後間もなくイヴ役のバクスターなんぞ吹っ飛ぶほどの大スターになるのだから面白い。
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