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タイトル名 |
ゴールデンスランバー(2009) |
レビュワー |
まりんさん |
点数 |
5点 |
投稿日時 |
2010-02-13 15:18:34 |
変更日時 |
2010-02-13 18:51:47 |
レビュー内容 |
原作は未読です。まず堺雅人の主人公のとぼけた、人のいい役は良かったです。展開も次から次へと起こるので退屈はしませんでした。特に総理暗殺の前後の下りはなかなかで『これは期待できるぞ』と思いました。しかし釈然としないものも残りました。まず通り魔少年の行動と挙動の物語上の不自然さ・・それまではこの映画の現実社会は我々の現実社会と同じリアルさとして描かれていたと感じましたが、彼の登場で『あれ?同じじゃないの?この映画独自の特殊な現実世界?』と感じるほど違和感がありました。一種のコメディとして割り切らないと肯定出来ません。しかも、怪しい男が白昼の込み入った街中で堂々とショットガンを乱射するという異常な出来事がその後の展開で一切、触れてませんし(あっもしかして情報操作?じゃあそれも描けよ)・・その上、逃走中の主人公に数々の人が手を差し伸べて事態を切り抜けますが、その描き方が唐突で雑!柄本明の自称『裏稼業』のじいさんの遣い方は、ちょっとあまりにも都合良過ぎでしょう。そして最大のなんじゃこりゃ?はクライマックスです。主人公がテレビカメラの前で投降しますが、良く考えますと事態解決に関しては『何の意味もなかった』ですね。だってあれによって結局は陰謀が明るみにも出ませんし、別に陰謀側に一矢を報いた(長島敏行の役が死んでも痛くも痒くもないでしょう)訳でもなく主人公は疑いは何も晴れず、そのまま犯人として逃走し、身代わりが死体となって陰謀側は何らダメージは食らってません。花火のシーンの派手さと何かいい雰囲気に一瞬、ごまかされましたけど。やはり陰謀側の描写があまりに少なかったのも問題ですね、ですからサスペンスとしての緊迫感はいまひとつ希薄です。主人公周りの描写含めた『美しい過去、交友関係』と陰謀側の残酷な思惑がくっきり対比出来たら、より深みが増したのでは?と思いました。一つの例ですが長島敏行のイカれたいいキャラや通り魔少年がいるんですから、そこの異常性をクローズアップしてバイオレンスものとして針を振り切れれば、多少の違和感も吹っ飛ばせたと思うのですが・・そういう面での思いっきりもバランスも悪いので彼らのような特殊キャラがこの映画で大して成り立たず、浮いているんです。悪くはないですけど、とにかくあらゆる面での『雑』さがこの映画の足を引っ張っていると思います。もったいない、本当にもったいない。 |
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