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タイトル名 |
フローズン・リバー |
レビュワー |
まりんさん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2010-03-28 15:45:31 |
変更日時 |
2010-03-28 15:45:31 |
レビュー内容 |
人によっては『地味』『起伏がない』だからつまんないの一言で片付けられそうな映画だと思います。けどカナダとアメリカの国境近くの町並みを見ただけで骨身に染み渡る荒涼さが伝わり、その雰囲気だけでもこの映画の魅力を高めていると思います。何と言っても主演のレイ役メリッサ・レオの確かな演技と諸々の感情の軋みがシワに深く刻まれた、あの顔が物語のすべてを語っているようで本当に素晴らしい!相手の先住民の無表情だけど子供を義母に奪われた悲しみを一瞬、垣間見せた絶妙な演技を見せたライラ役のミスティ・アップハムも見事な存在感でした。二人がお互いを少しずつ知り、次第に関係を深めますが、そこの見せ方もあくまで淡々として静かにじんわり伝わってきます。金銭的に困窮してるからやむ得ず不法入国に加担してしまったレイですが、それによって得た大金をすっかり頼りにしてしまう脆さ・・最終的にはライラを強引に説得し最後の不法入国者の運びを続け、トラブルに巻き込まれます。ハッキリ言ってレイのあの行動や発砲行為は目先の金に焦っての軽率行為で片付けられますが・・この金を手に入れたら新しい家を得て、少なくとも今よりはマシな子供達との生活を手に入れれる上、ライラの子供を取り返して彼女もやり直せる、自分とライラの為に切迫した願望の表れが、ある意味頼もしくもあり悲しくも見えます。最後のレイの決断は自分だけでなく、ライラとの今後を考えた最良の決断に思え基本的には悲しい出来事ですが、ポジティヴにすら感じました。ただ1回観ただけではすべてを把握出来るとは思えない深みがあるのでDVDが出たら再び見て新しい発見とか解釈をして味わう映画になると思います。 |
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