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タイトル名 |
しとやかな獣 |
レビュワー |
sayzinさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2006-11-15 00:01:21 |
変更日時 |
2006-11-15 00:01:21 |
レビュー内容 |
基本は団地の一室のみで展開される二幕一場ものの舞台劇(しかも若尾文子が主役じゃない!)。しかし川島雄三は、ありとあらゆる位置からの構図を駆使し、極めて映画的に仕上げてます。上下左右、縦横斜め、窓越しドア越し襖越し、考え得る限りの構図が登場。ビシッと決まる構図の為にはカットの繋がりさえ無視する徹底振り。人物の出入りや立ち位置も絶妙で、狭い団地の一室に無限の広がりを与えてます。その登場人物も全員が腹に一物を持った非情な金の亡者ばかり。「貧しさ」は人を獣に変え、急激に押し寄せる「豊かさ」がそれを正当化する。話は一応「悪の栄えた例なし」という結末を迎えますが、ラスト・カットでは、高度経済成長が無数の「しとやかな獣」を育んでることを雄弁に物語ってました、7点献上。 |
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