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タイトル名 |
チェンジリング(2008) |
レビュワー |
クルイベルさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2009-02-25 12:45:45 |
変更日時 |
2009-02-25 12:45:45 |
レビュー内容 |
この映画を万人にお勧めするか?って聞かれたら、正直に言って相手を選びます。 私はこの映画を楽しみました、いや楽しんだと言うより、他人の人生を2時間の間共有できたと言うべきかとも思います。つまり主人公が悲しむ時に私の心も悲しみ、また主人公の怒り、恐れの全ての感情が映画を見ている私の心の中で渦巻きました。この意味で、この映画はイーストウッドらしい冷徹なほどに徹頭徹尾第三者目線で描きつつも、彼なりの深い愛情を持って描いた秀逸な映画と私は評価します。(以下ネタバレあります) イーストウッドの最近の作品は運命に翻弄され続けながらも懸命に自分を見失わないように生きた人物を描く傾向が強くなってきている、と感じるがこの映画も同様に思う。多くの観客はそれが史実でなくても母と子の劇的な再会を望んでいると分かりながらもそうは作らない。たとえ興行的にはそちらが正義であってもだ。しかし、史実では犯人がウォルターの殺害を裁判で認めているにも関わらず映画では曖昧に描く事で、生涯ウォルターの生存を信じて探し続けたコリンズ婦人に対するイーストウッドの深い愛情を私は感じるのである。そして最近のイーストウッドの映画に共通して(矛盾するかもしれないが、)人生に対する「深い愛情あるニヒリズム」が清々と流れいてると感じずにはいられない。 |
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