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タイトル名 |
星守る犬 |
レビュワー |
東京50km圏道路地図さん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2017-02-07 01:00:02 |
変更日時 |
2017-02-07 01:09:12 |
レビュー内容 |
どん底末に野垂れ死にする高齢男が犬と逃避行した軌跡を、別れの辛さからか犬も愛せぬ程生物と関わりたくないニヒリズムの若者が家出少女とその軌跡と辿るという2重構造のロードムービーで中々オモシロイ設定。最大の謎というか不明なのは最終的にあのような行動をとった西田演じる男の動機。人生には絶望しているようではあるが、死ぬ程追い詰められているようには感じないし、余命何ヶ月という感じでもないし、自暴自棄になってるわけでもなさそうだ。最後は「死にたくない」と叫ぶのでこの世に未練もあるようだ。経済的に破綻しているなら生活保護もある。無知ゆえの行動だったと思うしかないのか。数々のシーンが非常に痛々しいのだが、分厚い束の年賀状を持ち歩きそれがイザという時には何の役にも立たないというシーンは印象的だった。「人生は死んでしまえば記録でしかない」と虚無的になっていた玉鉄演じる男が、たまたま燃やされずに残ったレシートという会計記録から西田の人生を辿り、そこにはいろんな出会いがあり、出会った相手にも各々人生があり各々の事情を抱えて生きている、そして燃やされてしまったレシートにもドラマがあったのかなあと思わせる作りは人生の悲哀と無常を感じさせるウマイ作りだなあと感じた。終盤の動物映画ならではの過剰演出は不要だったかな。ただし、ハッピーにモノを投げつける父親に関しては、世の中犬が嫌いな人もいるし野良犬から家族を守ろうとする必死の思いがあったのだろうと、これもある種の世間の断絶を表現したかったかなと思うが。 |
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