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タイトル名 |
雨 |
レビュワー |
彦馬さん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2004-07-08 20:11:14 |
変更日時 |
2004-07-08 20:11:14 |
レビュー内容 |
どこを切り取ってもポストカードにできそうな美しい構図が、降りそそぐ雨のごとく、見る者に降り注いできます。マイナスイオンのシャワーでも浴びたような気分でした。こんな作品は、もう抱きしめてあげたいぐらい好きです。軒下の長回しのシーンは、動いては止まる2人を追い続け、クロフォードの向こうにテーブルを囲む泊り客を捉え、そのままカメラは回り込んで、降りしきる雨を捉えます。まさに泊り客と雨に挟まれるクロフォード。さてこの長回し、どう次のカットにつなげるのか、と思って見ていたら、フレームから2人が消えた瞬間、素早くパンして室内へ、そこへまた2人が現れ、と見事に緩が急になってつながっていきました。んー、隙がない。ウォルターが狂気に駆り立てられるシーンは、部屋の明かりが消えた瞬間、雨の音、呪術的な太鼓の音が、じわじわとクレッシェンドで奏でられ、沸点へと近付いていきます。そのウォルターのファナティックな表情、これは怖い!そして、当然のように晴れ上がったラスト。憐れは相対的に捉えるもんではない、との摂理を語り、クロフォードは去っていきました。クロフォードの日本語には、言えてないぞ!とつっこみたくなりますが、そんなとこつっこんでも“シカタガナイ”ので満点献上です。 |
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