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タイトル名 |
ハーヴェイ |
レビュワー |
彦馬さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2005-02-03 12:16:20 |
変更日時 |
2005-02-03 12:16:20 |
レビュー内容 |
郵便配達人に名刺を渡そうとし受け取った速達を破り棄ててしまう冒頭から、ジェームズ・スチュワート演じるエルウッドの風変わりな人物像が描かれ、見ている者は後に登場するハーヴェイの<見える><見えない>の危うい皮膜をよたよた歩くことを予感させられます。エルウッドが会う人間会う人間に名刺を渡す行為は、名刺=名前とすると「名前」に対するこだわりが見えてくるのですが、自らの名前を誰彼に覚えてもらうこと、相手の名前を呼ぶことで自分と周りの人間との垣根を取っ払うシルシとなっているのではないかな~と。そして自らが常に親しみを込めて名前を呼ぶ象徴が「ハーヴェイ」であり、あの巨大なウサギが飛び越えていたのは、時間と空間と物質だけではなく、人と人との垣根、常識と非常識との垣根、現実と幻想との垣根でもあったりして、そう感じると、ハーヴェイがピョンピョンとしたウサギであることの必然性が見えてきて、人間が生み出すボーダーというのは、実に脆く不確かなものであることが語られているようで、私は以来ハーヴェイを偶像崇拝させていただいているのであります。 |
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