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タイトル名 |
人情紙風船 |
レビュワー |
aksweetさん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2018-05-28 03:42:11 |
変更日時 |
2018-05-28 03:42:49 |
レビュー内容 |
愚直の体現のような浪人・海野又十郎が終盤の宴会で「毛利様が狼狽えておりましたか」と、ほくそ笑むシーンが醜悪で、ゾッとした。
止められた酒に酔い、ご近所の評判も落とし、内助の功・おたきにへらへらと嘘までつく始末。
ここで、酔い潰れている又十郎の前にスッと懐刀を取り出すおたきの所作に、またもやゾッとした。
「おや、またかい?今度は心中だとよ」と、長屋は今日もズルズルとした日常に塗り潰されていく。この展開の見事さに、ゾッとする。
名作というよりかは、怪作の部類ではないかと、思う。
こんな悲話を遺作にしては遺憾だろう山中貞夫。「チトサビシイ」どころではない、どうにかならんか。(どうにもならんのだが) |
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