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タイトル名 |
スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 |
レビュワー |
take1さん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2005-06-29 20:46:46 |
変更日時 |
2005-07-16 11:35:00 |
レビュー内容 |
ついに壮大な叙事詩の輪が閉じました.すべてのピースがぴったりとはまるところに立ち会いました.1,2で感じたお祭り騒ぎの熱狂は消え失せ,ダースベイダーの誕生という悪夢のようなストーリーを完璧に描き切っている最高傑作です.旧3部作が存在する以上予定調和的にストーリーが進むことを運命づけられているのですが,この3は今までのシリーズとは異質の作品です. 3は,今までのSWシリーズでみられる勧善懲悪的なストーリー展開とキャラクターの魅力で押し切る,何年かに一度のお祭り的な楽しみ方から決別した作品です.旧3部作では皇帝は最初から悪でしたし,ダースベイダーも分けもわからず最初から悪者.なぜ良い心が復活したか,復活させることが出来たのか,満足に語られることなく物語は終結します.これで問題なし,そんなことを掘り下げなくても十分傑作で,楽しめた作品でした.Forceの存在,JEDIの精神などは物語の根幹をなす部分ではなかった. 3は,なぜ人間は悪に陥り,他人に害をなす存在になるのかという問いに正面から取り組み,その悪がどのような悲しみをもたらすのかを描き切っています.善悪とはけしてステレオタイプに語られるものばかりではない.幸せを願い人を愛することそのものが大きな悪をなし不幸をもたらすこともある.それゆえ人は皆悪に陥る危険を孕んでおり,善悪,白黒をはっきり色分けし,悪を打ちのめすことで不幸は解決するものではない. 執着,嫉妬,怒り,行き過ぎたそれらの感情が本来望んでいた幸せから大きくその人を引き離してしまう危険が有る,このオリエンタルな発想,思想,主張が旧3部作ではスパイス程度,でも3では物語の根幹をなす大切な思想として語られ,アナキンの苦悩と転落を通じて圧倒的な説得力をもち迫ってきました.人を愛する気持ちがいかにして執着,嫉妬に変化し歪んだ欲望に火をつけ大事な人を苦しめるのか,絶望的な気持ちで見守りました. 従来のSWファンの視点から見ても見所満載,最高の出来映えです.ドゥクゥー伯爵との戦い,皇帝とノーメイクサミュエル・エル・ジャクソンとの戦い,ヨーダ対皇帝!!,オビ・ワンとアナキンとの師弟対決,オビ・ワンの悲痛な叫び「選ばれし者のはずなのに!!」.それに加えて深く心に迫る,人生の真実を語る映画として残る作品でしょう.劇場で鑑賞できたことに感謝します.
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