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タイトル名 |
機動戦士ZガンダムIII 星の鼓動は愛 |
レビュワー |
小原一馬さん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2009-09-12 00:57:45 |
変更日時 |
2009-09-12 00:57:45 |
レビュー内容 |
Zの一作目があまりにひどかったので2と3は今まで見ていなかったのですが、今回NHKのガンダム特番で一挙にTV放映されていたので見てみました。詰め込まれたエピソード猛スピードで駆け抜けることに慣れたのか、登場人物がみな自分勝手に戦っている戦争状態に慣れたのか、はたまた単にこの映画への期待レベルが十分に冷え込んでいたのが良かったのかわかりませんが、結果的にはそこそこ楽しんで見られました。TVシリーズは未見のため、頭脳をフルパワーで回転させながら人間関係を想像しながら見たのですが、当時見ていた妻によれば、長大なTV版は長すぎて逆に、誰が何のために戦っているのかわからなくなっていたそうですから、圧縮したことに意味もあったのかもしれません。 Zの一作目を見たときの一番の抵抗感は、「みんなが自分勝手に動きすぎる」「こんなんで戦争ができるはずはない」というものだったのですが、考え直してみれば、この話が描いているものは、いわゆる「戦争」ではないわけです。ファーストガンダムでは、曲がりなりにも成立していたような「戦争」はもうここにはなくて、みながそれぞれの思惑で武器をとって殺し合いを行い、その時々の有利不利だけで敵味方の組み合わせが自由自在に変化するという、一種のバトルロイヤル状態になっているわけです。 現代の日本人がもし、自分の利益のために戦うということが起こるとすれば、それはきっとこういうものになるのかもしれません。 そう思うと、太平洋戦争のようなこれまでの戦争において、人々がただ単にある場所に生まれたというだけで、その集団のために命を投げ出していたことの不思議さがかえって浮き彫りになってくるのです。 そんなふうに歴史を見返させてくれただけでも、この映画を見た価値がありました。 ファーストガンダムのファンとしては、ラストにホワイトベースの旧クルーを出してくれたファンサービスもうれしかったです。
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