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タイトル名 |
ナルニア国物語/第1章:ライオンと魔女 |
レビュワー |
FSSさん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2006-10-10 18:58:50 |
変更日時 |
2006-10-12 15:13:20 |
レビュー内容 |
<原作未読>
それなりに金も手間も掛かっているし、CGや小道具類は丁寧な作りではあるけど、肝心のストーリーや作品世界のディテールの構築は非常に甘い。要するに「突っ込み所が多い」というコト。
作中のエピソードは聖書の物語をベースにしているらしいが、そのせいもあってか、ファンタジー世界の出来事とは言え、納得のいく理由や説明がほとんど無く、ご都合主義的な展開が非常に目立つ。
他の人にも突っ込まれているが、この世界において「人間の子供」の存在がどういう意味を持つかの説明がいい加減なので、あの世界に兄妹たちが行く事で、特別な力を得るのか、それとも単に予言が成就するから死なないだけなのか、肝心の部分がはっきりしない。
狼との戦いの時は剣もまともに扱えなかった少年が、なんでラストではあんな怪物どもと互角以上に戦えるようになっているのか等、そうなる過程や理由が無視されている。
演出全般もセンスに欠けている。例えばアスランが初めて登場するシーンは、普通にテントからのそのそ出てくるんじゃなくて、やはりこの世界の王なんだから、太陽をバックに雄々しく山の頂に現れるべきでしょ。
また、氷の女王にも悪役としての「凄み」が足りないね。私なら女王の髪は氷のように表現するし、杖で石化させるんじゃなくて、女王の吐息で氷付けにするとか、氷の剣で戦ったりさせると思うけど。氷の結晶の刃を投げつけたりとかね。そういう演出をしないと、なんで「氷の女王」なのか分からないじゃん。
他にも聖書ベースとは言え、あの世界にサンタがいて、ドラ○もん並に、ご都合主義的な便利アイテムをくれるとか、そのくせ、戦闘シーンではその武器をほとんど活用してないとか、女王も石化の杖以外に、なぜ魔法を使わないで肉弾戦を挑んでくるのかとか、そもそも屋敷の洋服ダンスがなんでナルニア国に繋がっているのかとか、突っ込み所が多い。
もともと原作が古典で子供向けではあるけど、やはりそれなりに目の肥えた現代人が見るには、キャラクター設定も世界観もストーリー展開も大雑把で粗が多い。
あと時間が長い分、展開もたるい。少しでも大作感を出したいのだろうが、そのため無駄に間延びしているシーンが多い。編集し直せば、あと20分は短くなる。 |
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