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タイトル名 |
アメリカン・サイコ |
レビュワー |
FSSさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2004-09-12 03:37:06 |
変更日時 |
2006-07-19 18:06:33 |
レビュー内容 |
物質欲を満たされた現代人に共通する「心の空洞化」。その心の空虚感は何をもってしても補う事が出来ず、しかしその渇望は不快感として心の奥底に淀んでいく。主役の男のようにブランドものや若さという見せ掛けで外見を固めるほど、心の虚無は広がるだけ。そして齎される生の実感の無さと得体の知れない焦燥感が、他者を蹂躙し、征服するという攻撃性に転化されてしまうのだろう。
連続殺人鬼の動機としては「自己存在確認の殺人」という典型的なものに分類されるもので、目新しい視点は見られなかったが、唯一工夫の跡が見られたのは、ラストにおいて、結局それすらも実行出来なかったという、「人間の弱さ」を徹底的に描いた点。
この虚無感、絶望感は自己の内面に向けられているものであり、その辺を理解できないと低評価になりがち。 |
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