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タイトル名 |
座頭市(2003) |
レビュワー |
FSSさん |
点数 |
4点 |
投稿日時 |
2004-05-21 13:44:35 |
変更日時 |
2007-02-28 06:48:02 |
レビュー内容 |
オリジナルを知らないので比較は出来ないが、今作のみの評価としては「予想以上にイマイチ」、というのが正直なところ。
エンターティメントを謳っている割には、アクションもストーリーもギャグも何もかもが中途半端。やたら殺陣を絶賛する向きがあるが、金を取る以上、今時、この程度のアクション演出はクリアして当然の最低ラインでしょう(映画だけでなく、日本には漫画やアニメという、今やハリウッド映画が参考にする優れた「見本」がいくらでも存在するんだから)。「あずみ」や「VERSUS」などもそうだけど、とにかく「アクションが斬新!」と喧伝するものに限って、いい意味での「漫画的カッコ良さの演出」が分かっていない作品が多すぎる。
CGによる腕の切断シーンの違和感や、切られてすぐ吹き出る大げさな血飛沫なども不自然であまり上手い演出とは言えない。「居合」がメインのキャラなんだから、リアリティ無視でもいいから、もっと抜刀の緊張感や凄絶さを前面に出したカッコ良い演出の仕方はいくらでもあるはずなんだけどなあ(納刀したと思ったら、しゃべっているチンピラの身体が少しづつ斜めにズレて行くとか(しばらくしてから血飛沫「ブシュー!」でしょう)、その後さらにしばらくして後ろの木が倒れるとか、居合の弱点を知っている忍頭との対決とか、同じ居合の達人同士による抜刀術の撃ち合いとか)。
また、海外でも分かりやすい、言い方を変えればベタで寒いギャグを随所に入れるという媚びた姿勢も気になる(特にガダルカナルが「ギャグ担当」として出すぎでウザい)。昔ながらの勧善懲悪・義理人情物のストーリーもあってないような内容で退屈(別に正義の味方が悪いとは思わないけど、あまりにもありがち)。
特に娯楽映画の割に中盤以降がダラダラとしているのが痛い。無駄な時間稼ぎのようなシーンも多く、早送りしそうになることが多かった。特にラストのタップダンス等、斬新と評価されることを計算して撮っているあざとさが鼻につく。
浅野忠信演じる用心棒や、たけし自身の独特な演技には味があって悪くないし、一瞬で決まる居合の緊張感もそこそこ出ていただけに、アクションの中途半端さと外人に媚びた作りにがっかり。 |
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