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タイトル名 |
死ぬまでにしたい10のこと |
レビュワー |
FSSさん |
点数 |
1点 |
投稿日時 |
2005-03-20 13:56:30 |
変更日時 |
2005-04-01 03:22:52 |
レビュー内容 |
死とはすべてを失う事ではない。死を受け入れるからこそ見えてくる大切なものがあるはずだ。いざ死ぬからって、好き勝手な事をするというのは違うだろ。何故、家族を裏切ってまで他の男と寝る必要がある?
死に直面しているからこそ、守るべきは「魂の高潔さ」でなくてはならない。自分にとって本当に大切な人たちに対し、一切の「負い目」無く逝くこと。それこそが大切なはずだ。
本来は家族と共に自分の死と直面すべきなのに、最後まで家族には自分の死を知らせる事をしない。心の整理をする間もなく先立たれた家族の気持ちを考えてるのか?
また、家族を大切に思っていながら、昨日今日出会った素性も分からない男を本気で愛してしまうという浅薄な思考形態。その夫や子供に対する裏切りを死によって正当化している主人公の欺瞞と未熟な精神性にはウンザリさせられる。
浮気相手の男も最初はクールに接していながら、結局「やっぱり君の事が好きなんだ~。離れられないよ~」と情けない泣き言を言う始末。みっともない。死に際した者に対する「一夜限りの関係」として自分の「役割」を認識していると思いきや、まるっきり分かってない体たらく。お互い本気で心を奪われてどうすんだ。
しかも、その「浮気相手との交流」をメインに描く気色の悪さ。あくまで「したい事」の一つとして「いっぺん死ぬ前に他の男とセックスしたかったのよね~。さ~て次は…」と、さらっと流すなら良い。だが浮気が本気になったら、それは「裏切り」と呼ぶものだ。やる事はやっといて、その行為を殊更に奇麗事のように描く醜悪さには我慢できない。心を裏切られ、死を共有する事もさせてもらえなかった夫の気持ちを考えると居たたまれない。私も最後のキスシーンには背筋が寒くなった。
最期にこんな生き方と死に方で本人は満足に逝けたのか?疚しい気持ちを持たずに死ねたのか?もっと他にやるべき事は無かったのか? |
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