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タイトル名 |
スパイ・ゾルゲ |
レビュワー |
たいほうさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2003-11-21 13:13:39 |
変更日時 |
2003-11-21 16:41:13 |
レビュー内容 |
篠田の作品としてはかなり中立性に配慮したものらしく、昭和史のオールスター登場の感があります。そっくりさんを集めたとかではないけれど、いろいろな事件のごった煮の映画です。2・26では朝日の主筆で緒方竹虎が登場するけどこれはあまり似ていません。背後と逆光で登場の天皇への見方はかなり厳しいところがあるのは、元老頼りの姿勢が結果として政党政治に止めをさしたのは事実なので仕方ないと思います。青年将校が「天皇陛下万歳」でゾルゲが「国際共産主義万歳」で死ぬところは皮肉なことです。しかし尾崎秀美がゾルゲ周りの女性と同じような存在になっているところは、まさに自己の確立されていないインテリの演じた喜劇で、機密を扱う要職に着くのが自分の意思でなく周りに流されてで、西園寺、後姿のひとと合わせて、その時流に流されての無責任さが結果として多くの国民に惨禍をもたらすのは現在でもあまり変わっていないのでしょう。篠田の示したかったのも平和主義よりはそんなことだったのかも知れません。本木の尾崎の「ペンネームなら」、「報酬さえ受け取らなければ」の言い訳じみた態度より特高検事のほうがずっと存在感があったのは少なくともゾルゲ同様に信念に基づくものだったからで、別れに際してのモスクワが陥落しなかったことを伝える場面、ドイツ大使との別れの場面などは印象的でした。ところで奥方の岩下志麻の登場はどこだっけ? |
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