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タイトル名 |
ダンサー・イン・ザ・ダーク |
レビュワー |
ノマドさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2004-01-06 13:50:21 |
変更日時 |
2004-01-06 16:26:24 |
レビュー内容 |
セルマは自分に負けたのです。控訴を取り下げた局面、彼女の心情はどのようなものだったのでしょうか?見解はこうです。「生きたい。歌いたい。踊りたい。でも息子が・・・」私は、セルマがこの時、息子を重荷にしか感じてないのではないかと思ったのです。たしかに、必死にお金を掻き集めていた時、殺人を犯す前、彼女の気持ちは一貫していました。息子を救うため、間違いないでしょう。しかし、控訴申請時、この時、セルマは、息子の目か、自分の命かをどちらか二者択一を迫られます。答えは前述のとおりです。天秤が下に傾いたのは、ミュージカルに満ち溢れた夢の後世だったのです。ですが、この選択は心の中に過ぎません。彼女は、実際には、前者、息子の目を選択しました。なぜでしょうか?この部分の解釈は、かなり複雑で、踏み込んだところで、机上の空論に過ぎませんが、私は、セルマがこの時、どうしても偽善者に思えて仕方がありませんでした。だってそうでしょう。死刑執行の前の107歩、彼女は泣きじゃくってました。執行直前でも、ヒステリックな叫び声が部屋中に木霊していました。このセルマの行為に彼女の生きる貪欲さが全面に出ているように感じてなりません。しかもこの絶望的で苦痛な状況から解放してくれたのは息子の愛などではなくミュージカルだったのです。そう。彼女にとってミュージカルは、何にも勝って大切なものなのです。こんな幸せな彼女が果たして息子のためだけに命を投げ打てるものでしょうか?セルマが息子を愛していた事は言うまでもありませんが、それ以上に、死刑執行に駆り立てたのは、くどいようですが、やはり偽善だったのではないでしょうか? |
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