みんなのシネマレビュー
バタフライ・エフェクト/劇場公開版 - ひいらぎさんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 バタフライ・エフェクト/劇場公開版
レビュワー ひいらぎさん
点数 9点
投稿日時 2005-06-11 01:23:49
変更日時 2005-06-11 01:23:49
レビュー内容
ふと私は日記を書くのが嫌いな事を思いだした。懐かしい思い出が残り、気持ちが整理され今後に活かせる点も多いだろう。しかし残すより、忘れたいことも多い。これは私の弱さでもある。そういえばエヴァンは辛い過去を忘れたかったのではないのか。彼は「君を迎えに行く」気持ちさえも過ぎ去った思い出にしていた。しかし日記を読むことで欠けている記憶を取り戻したくなった。それは「現実のようだった」不思議な体験がきっかけだが、日記というのは、過去に生きるようにさせてしまうのではないか。結果ケイリーの忘れたかった過去を蘇らせ死に追いやってしまう。幼いころ、ケイリーは置き去りにされたような暗い眼でエヴァンを見送った。傷つくことを恐れ彼女もここでエヴァン(過去)を捨てたのかもしれない。エヴァンは「君を迎えにいく」のメモ書きを同じ暗い眼でケイリーのお墓に捨てている。彼女が捨てた思い出を、まだ自分は大切に持っていた過ちに気づいて捨てたかのような哀しい場面だった。しかし後悔は消えず、過去を変えてしまう。ケイリーへの想いを幼い頃のように純粋に持てたものの、消したはずの「怨嫌」の感情が誤算を発生させてしまう。またやり直しても友達の「怨根」が悲劇を招く。その原因の欠けた記憶、それをエヴァンはとうとう思い出してしまうのだ。誰もが持っているはずの過去というものは、いくら後悔してもそれ自体を変えることは出来ない。それがまず怖ろしい。そして過去というのは非常に捨てるのが難しい。忘れたくても刻んでしまうのだ。誰かを怨んでいないだろうか、後悔していないだろうか、辛かった心のキズはいまだ傷んでいないだろうか。それが今の自分を滅ぼすことになりかねないかもしれない。過去ときちんと向き合うことは大切だ。しかし決して変える事のできないそれに囚われすぎるとどうなるのか、この映画の怖さはとてもリアルなものだった。冒頭の脳のCT映像に重なる蝶の羽ばたきは記憶ではないだろうか。記憶の書き換えでボロボロに血を流すエヴァンは惨めだった。希望を持ちたくても、日頃心の奥底に隠してあるはずの過去を浮上させては、現状にやりきれない思いを抱えてしまうのは実際情けない。「過去を変えたい」エヴァンの有りようは、そんな人の弱さを実直に肯定しているような気がした。エヴァンは日記を捨てた。その心の傷みはこちらに十分に伝わってきた。とても良い映画だった。
ひいらぎ さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2005-07-17宇宙戦争(2005)85.89点
2005-06-11バタフライ・エフェクト/劇場公開版97.49点
2005-01-27Mr.インクレディブル87.60点
2005-01-23ハウルの動く城95.65点
2004-11-17204684.78点
2004-08-30ディープ・ブルー(2003)25.47点
2004-08-10マッハ!!!!!!!!107.06点
2004-07-22ハリー・ポッターとアズカバンの囚人86.45点
2004-07-0921グラム56.28点
2004-06-12インディアン・ランナー107.45点
バタフライ・エフェクト/劇場公開版のレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS