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タイトル名 |
トロイ(2004) |
レビュワー |
ひいらぎさん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2004-06-05 01:49:19 |
変更日時 |
2004-08-23 22:56:02 |
レビュー内容 |
人間どうしの血なまぐさい戦いが古代から脈々と続いていることを眼の前につきつけられる。「後世に名を残したい」願いのある女神の子、無敵のアキレス。「勇者なのか愚か者なのか」戦い死ぬことはどちら側にもなりうるということもわかっている。最大の見せ場はアキレスとへクトルの一対一の勝負だった。肩を矢で突かれ運命を受け入れ死を覚悟したヘクトルの無念、胸をひとつきにされ息絶える終焉・・・しかし眼をとじたヘクトルの死に顔に監督は深い哀悼と美しき花をたむけた。1篇の詩のように、精神の気高さを余韻の残る一瞬の表情。勇敢なヘクトル、見事な死に様だった。無常観・残酷さ・無意味さ。その後アキレスの心境も変化する。勇者でも愚か者でもなくそこには悲劇あるのみ。見届ける女と王は慟哭し涙するしかない。その痛々しさと残酷さに私は愕然とするしかなかった。これが神話となり伝説となり吟遊詩人たちに語られ、現在に蘇る英雄伝の姿なのかもしれない…と映画は突きつける。哀しすぎる、たとえ「勇者」でも。幾千年の時を経て、語られる神話にはどんな現実が秘められていたのか思いめぐらすのもロマンなのだろうか。ところで小道具たち(文字とか神々や妖獣たちを具象化した壁画とか、儀式とか)があまり登場しなかったのが残念。でもラスト、小道具・・・じゃなくて大道具『木馬』が想像以上のディティールだったのが嬉しい。(あの首の曲がりぐあいが好き!)あれはオデュッセウスの策略だったとは・・・。 |
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