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タイトル名 |
空軍大戦略 |
レビュワー |
ぶくぶくさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2003-06-01 16:58:02 |
変更日時 |
2005-04-01 17:51:06 |
レビュー内容 |
ハリケーン、スピットファイヤ、ユンカースJu52輸送機、ストゥーカ急降下爆撃機、Bf109、ハインケルHe111などの実機が画面一杯に飛び回ってくれるのが嬉しい。また史実を割合忠実に再現しているところも実に気持ちが良い。実際ドイツ空軍の主力戦闘機Bf109は最高速度や武装は英国空軍のスピットファイアを上回っていたが、航続距離が600km余りであり、英国本土にとどまれるのは30分以下であったという。思うように英国空軍を撃滅できず、英国本土上陸作戦が行えないことに業を煮やした空軍最高司令官ゲーリング元帥が前線に督戦に来た時、ひとしきり檄をとばした後で「私は唯厳しいだけの司令官ではない。何か希望はあるか?何でも望みを聞いてやろう」と前線部隊指揮官たちに問い掛けると、一人の戦闘機隊司令(アドルフ・ガーランドがモデルたと言われている)が「スピットファイヤを1個中隊ください」といいゲーリングが鼻白むシーンなども創作ではなく史実である。英国空軍内での路線の迎撃方法をめぐる対立なども実際に深刻であったという。チェコやポーランドの義勇兵のエピソードも楽しい。また本作では英独両軍が死力を尽くして戦っている姿を、双方に公平に描いていることが実に気持ちが良い。航空機と人員の余りの損害の多さと対ソ連戦開始のために英国上陸作戦が「無期延期」になり、無数の上陸用舟艇が係留されている海岸沿いの道路で進攻部隊の兵士が救命胴衣を次々と道端に積み上げるラスト近くのシーンなども、この戦いが戦争の転換点であったのだと言うことを強く感じさせていた。きちんと偏見抜きの史実を描く姿勢がエンターテインメントとして成立する良いお手本のように思える。戦争映画というジャンルに関して、反戦思想映画でなれれば「好戦的映画」というレッテルを貼る向きもあるが、映画は見る側に選択権があるのだから「嫌だ」と思えば観なければよいだけのことであり、面白いと感じることができればその人にとってはそれが「良い映画」だというだけだといつも思う。本作ではベテランの英国空軍指揮官を演じているロバート・ショウが、歴戦のドイツ軍機甲部隊指揮官ケスラー大佐を演じている「バルジ大作戦」もお気に入りの映画。 |
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