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タイトル名 |
アンフィニッシュ・ライフ |
レビュワー |
花守湖さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2008-11-18 23:36:14 |
変更日時 |
2009-02-22 16:33:40 |
レビュー内容 |
テーマは「赦し」です。一匹の凶暴なクマをとおして、「赦す」ことの意味を問いかけています。熊は好きで人間を襲うのではない、そもそも人間が熊の住む場所を奪っているという事実がある。ある日ミッチを半殺しにしたクマが捕獲される。もし日本だったらすぐに殺される運命でしょうが、本作の舞台であるワイオミング州では動物と人間の「共生」の思想が根付いている。動植物たちの住処を荒らすことなく、自然の摂理に任せて暮らしている。ここを訪れたら、私たち現代人が、失った多くのものを感じ取ることができるでしょう。ミッチが自分を襲ったクマを動物園からこっそり逃がしてくれ、と言った理由は、アイナーに「赦す」ことの意味を教えたかったから。アイナーと孫娘が命がけでクマを逃がしたまでは良かったのですが、クマは逃亡中にミッチとばったり出会う。笑う場面じゃありませんがつい笑ってしまった。自分が逃がしたクマに二度もフルボッコにされたら笑い話にもなりませんね。ミッチとクマのにらみ合いは圧巻でした。素直に感動しました。この「クマさん効果」もあって、ガンコオヤジのアイナーは自分の息子を死なせたジーンを憎んでいましたが、徐々に変化していく。そして彼女の娘(孫娘)と接していくうちに凍った心が氷解していく。1ヶ月の滞在だったはずが、「娘を学校に通わせたい」とまで言うようになる。この話は「赦す」ことだけがテーマじゃない。誰かを赦し、赦したことによって自分自身が救われる物語だ。ワイオミング州の「動物と人間の共生」という精神を背景に、赦した相手との「共生」が描かれている。それから私はあえてここで有名俳優たちの名前を出しませんでした。なぜならアイナー、ミッチ、ジーンという3人の「役名」のみが脳裏に浮かんできたからです。まるで3人が実物の人間であるかのように自然でした。物語のなかで俳優の名前を観客に感じさせない名演技を久しぶりに堪能しました |
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