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タイトル名 |
さよなら。いつかわかること |
レビュワー |
花守湖さん |
点数 |
6点 |
投稿日時 |
2011-04-10 21:46:02 |
変更日時 |
2011-04-10 21:46:02 |
レビュー内容 |
正直に言う。私は私以外の誰かが死んだことでショックを受けたことは、今まで生きてきて一度も無い。おばあちゃんが死んだ時も、おじいちゃんが死んだときも、友だちが事故死したときも、すぐに立ち直った。何を言いたいのかといえば、私は私が亡くなった人を愛していたが絶望をしなかったということだ。取り乱すこともなかった。本作品の父親はあきらかに絶望して、廃人になりかけている。「父親のてめえがそんな腑抜けになって子供が守れるのかよ?」これがこの映画を観た第一印象です。それと同時に人は人が死んだらここまで絶望できるのか?と不思議に思ってしまった。父親の行動は明らかに常軌を逸している。亡き妻の声が吹き込んである留守番電話に独り言を言うシーンや、子供を無断で学校を休ませ、そのあげく、自分も無断欠勤して、幽霊のようにドライブに出かけるなど、もし私が子供で、こういうオヤジがいたら、不安で泣いてしまうだろうと思う。それに反比例するかのように娘2人が天使のようにかわいい。特に長女は、オヤジが悲しみのあまり暴走してしまったことを直感的に気がついている。わざわざ学校に電話をかけている。子供に心配させてそんなことまでさせる親などクソかもしれない。すなわち、人間の心の弱さは当然ではあるが、親という立場になれば、子供の前でこれほどまでに己の弱さをさらけ出して暴走しても良いのだろうかと思ってしまうのだ。ロードムービーというよりも、むしろ父親の暴走。それでもそのおかげで子供に対して独裁者であった父親の内部では何かが変わりつつあった。娘にピアスをすることを容認する。それどころか娘が不良と隠れてタバコを吸っていたら「そんなヤツとタバコを吸わずに俺と一緒にタバコを吸おうぜ」なんて言い出すありさま。もしこれが現実ならば娘は「オヤジが狂った」と思うだろう。やっぱり、こんなオヤジ、イヤだ。早く立ち直ってくれ。お前がどうなろうが知ったことじゃない。娘2人を安心させろ、このばか者が!
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