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タイトル名 |
オール・アバウト・マイ・マザー |
レビュワー |
花守湖さん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2004-05-03 13:29:26 |
変更日時 |
2004-12-15 00:20:55 |
レビュー内容 |
悲劇のヒロインという言葉があるけど、この映画に出てくる女性たちにはまったく無縁の言葉だと思う。彼女たちは悲劇を避けようとはせず、憎みもせず、ただあるがままに受け入れている。 息子を失った母親、エイズで死んでいく女性、娘から愛されないボケた夫を持つ母親、薬物女を愛する女優─。 彼女達は悲劇を前にしても心が崩壊するようなことはない。 人生の進むべき道の途中で止まったりせず、着実に前に進んでいる。 陽気なオカマのアグラードも同じように「人生ラクありゃ苦もあるさ」といった感じで、悲劇のヒロインにならない所が印象に残った。 男手なく生きている女性たちを見ると、それは力強くも見え、頼りなくも見える。 しかし「生きている」という輝きみたいなものが感じられた。 生きることが困難なときほど、人は「生きている」という実感を持つのかもしれない。 満たされすぎていると、かえって自分が今持っている大事なものを見失いがちになることもあるかもしれない。 誰の人生も周りからは平凡なように見えて、この映画の女性たちのように劇的な要素はあると思う。 多くの女性を不幸にして、挙句の果てに自分も死んでしまう大男のオカマもその1人。 いっけん、すごい物語のようで、みんな自分の人生を素直に受け入れているところが「強い」と感じさせる理由だと思う。 すべての女性たちに観て欲しい映画だということだけど、私はすべての男性にも観て欲しい映画だと思います。 |
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