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タイトル名 |
ヘヴン |
レビュワー |
せんぼうさん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2003-12-08 06:23:48 |
変更日時 |
2003-12-08 06:23:48 |
レビュー内容 |
破滅へと向かう恋愛映画というのは、いくつか見たが、これは一番説得力があった。寡黙な厳しい映像で、淡々と説得力あるエピソードを積み重ねて行く。有無を言わさぬ事実を見せ付けられたようで、納得はいくのだが、やはり、無残な感じがするよな~。ブランシェットが、きれいなだけに、後半ぼうずになるあたりは、もう、痛々しくて。いくら最後に二人が抱き合い思いを遂げても、天国へ向かうように、ヘリが上へ上へと上昇したファンタジックな映像があっても、暗く陰残なものが残って、やるせない。この、気のめいるような救いようのなさは、なんだろうと考えるんだけど、それは、やはり、冒頭で彼女がテロリズムを行使してしまったことに尽きるだろう。その瞬間から彼女は「幸福になれない、救われない」という決定されたトーンが、この映画の底に付きまとい、自分の気を滅入らせるのだ。・・・そう、どんなに、この恋愛が崇高なものでも、それがあるために、酔えない、美化できないのだ。人物とか一人一人しっかり描いてて、いい味だしてんだけどなあー、この映画。特に心の沁みたのは、主人公のお父さんで、逃亡中の息子に分厚い札束を渡しながら「自分はなんにもできない」とつぶやくところなんかは「そうだろうな~、・・でも、いい親父だよな~」と思いながら見てた。 |
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