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タイトル名 |
リトル・ヴォイス |
レビュワー |
給食係さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2008-11-25 02:02:07 |
変更日時 |
2008-11-30 19:25:37 |
レビュー内容 |
北イングランド、労働者階級、貧困、怠惰、自暴自棄、かりそめの夢・・・イギリス北部が舞台の時にはお馴染みといえる、非常にイギリス的というより、まさに「イギリスの浪花節」をストレートで行く作品。ハリウッド・エンディング希望の、アメリカ映画好きの人には同じ北イングランドが舞台でも「リトル・ダンサー」の方に一票だろうが、「切なさ」「人生の苦々しさ」という点ではこちらに軍配が上がる。なるほど脚本の粗さ(父親の幻影が現れる理由、LVが声を突然に発するシーンの動機付けなど)や、全体に流れる「安っぽさ」はある。しかし、本作の根底にあるのは、まさしく「人生とは、本来惨めで悲嘆に暮れるもの」というイギリス人的現実主義そのものだ。その好悪と評価は、視聴者がこの人生訓を映画として見せられてどう思うか?で変わってくるだろう。「苦しいからこそ、せめて映画の世界では100%楽しいものを」という人も多いだろうが、日本人にはこういう「大部分を占める苦味と、わずかな希望」が好きな人は多いと思う。 さて、主演のジェーン・ホロックスだが、彼女はイギリス国内ではよく知られた存在。飛び抜けた美人でもなければ、抜群のスタイルの持ち主でもないが、TVの超人気コメディドラマで出色のパフォーマンスを見せたり、はたまたシリアスな政治ドラマや舞台での経験も豊富な女優である。本作も元は彼女が主演し、好評価を得ていた舞台作品の映画化である。また歌手としてアルバムも出しており、その芸域の広さはかなりのものだ。もっと世界的に知られて当然の人だと思うのだが、本人はハリウッドなど世界的な場での活躍を望まず、家族との生活を大事にしながらロンドンを中心に、静かに、しかし確実な足跡を残している。派手さはないが、実力に裏打ちされた非常に魅力的な女優である。 |
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