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タイトル名 |
GO(2001・行定勲監督作品) |
レビュワー |
妹之山商店街さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2003-11-01 05:41:33 |
変更日時 |
2003-11-01 05:41:33 |
レビュー内容 |
「GO」は、青春映画ですね。 とってもテンポの良い、ハイ・スピード活劇という感じですね。 冒頭のスーパー・グレイト・チキン・レースからしてノリが良いです。 しかし、この作品の底流にある、ずっしり重いテーマは 『在日』の問題です。 いや、それが必ずしも第一のテーマでなくともよいとは思うの ですが、私にとっては第一のテーマです。 私にとっては、それなしには、この作品に意義を感じ取れ ない基底的モメントです。 『在日』と書くことにすら、その背後には色々な意味、背景 が横たわっている、そういうものとして書くということ、 そんなこともほとんど考えたこともありませんでした。 ラスト近くの校庭でのシーンで、「おまえら、どうしてなんの 疑問もなく俺のことを<在日>だなんて呼びやがるんだ?」 というせりふには衝撃を受けました。 今でもその衝撃は私に内在して、私を衝き動かします。 私にとって、『在日』の問題は、近くて、遠い問題でした。 同じ日本に存在しているのに、 『在日』の方の多くの小説や評論があることは知ってはいました。 しかし、私にとって、それらは、何か「敷居」が高く感じられ ました。 その為、一切読んだこともありませんでした。 『在日』の方たちの、ごく普通の日常生活とか、日常的にどんな 生活を営み、どんなことを悩み、考えているのか、そういう 身近な次元で、『在日』の方たちの内面世界を垣間見ることができたという感じです。 民族的な差別に対しては、屁とも思わない、強靭な主人公。 しかし、恋した彼女に拒絶されたことが、初めて心底こたえた んですね。 『在日』の方にとって、そういうことこそが、民族的な壁なんですね。 そういうことを学べたということが、私にとって一番大きな 意義でした。 民族学校内での実際の様子を、その一断片でも垣間見れました。 また、北朝鮮や朝鮮総連を必ずしも全面的には、最早信頼し てはいないこと。 それでもやはり、ある人は、民族団体の側で生きて いくという考え方。 また、ある人は、それを超えるものを探し求めるという生き方、 北朝鮮による拉致事件、核開発、朝鮮総連への批判と幻滅、 とっても難しい、苦しい時期だと思います。 それでも、生きていく、その基本的な方向性、基底的なことを、 この「GO」から学べたような気がします。 |
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