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タイトル名 |
穴(1960) |
レビュワー |
一般人さん |
点数 |
9点 |
投稿日時 |
2006-04-26 23:11:10 |
変更日時 |
2006-05-19 04:33:49 |
レビュー内容 |
凄い映画ですね。みなさん一様に点数高いのも納得しました。
何が凄いってこの徹底したリアリズムですね。 他の脱獄映画の設定が相当ヌルク感じてしまうぐらいに この映画は「実際の刑務所から脱獄するには」という事に何より拘っている。 小さい覗き窓1つしか無い頑丈な扉。突発的に入って来る看守。監房を出入りする度に身体検査。 夜中でも容赦無く回って来ては点呼を取る冷酷な監視体制。。。 でもそのことごとくにマンマと裏をかくズル賢いリーダー格の古参受刑者。
小技の1つ1つもあだやおろそかにしません。 小さい覗き窓には歯ブラシの柄に小さい鏡のカケラを結び付け看守を監視する繊細さ。 逆に頑丈なコンクリートの床は「ここが何とか成らんとドウにも成らんわ!」と腹を括り どれだけ激音がしようとも決して掘るのを止めない大胆不敵さ。 更にはダンボールで作った即製人形を糸で操りながら夜中の点呼をやり過ごすこの危うさ(汗 その後はもう刑務所中を縦横無尽に徘徊し「ちょ、ちょっとアンタ!そりゃ無茶や!」と 後ろから何度も突っ込みたく成りますがその都度機転と小技を駆使して乗り越えて行きます。 この辺はもう正に脱帽でして超兄貴ブリを発揮しておりますね。はい。
またガスパールと言うへタレな新入りの若者が主人公の様でも有りますが これがもう脇役のアクの強さに完全に食われてしまっている。 なんで?なんでこんな影の薄い主人公なんだ?と、みんないぶかしむ所では有ります。 しかし実はそれがこの監督さんの凄い所でして。ええ。その訳が最後の最後で明らかに成ります。
ただ私としてはこのラスト、もう1転有っても良かった様な気がします。だから9点です。 ただフランス映画だという事を考えれば仕方が無いのかも知れませんが。
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