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タイトル名 |
化粧師 |
レビュワー |
MAZEさん |
点数 |
10点 |
投稿日時 |
2004-05-30 16:10:35 |
変更日時 |
2004-05-30 16:11:01 |
レビュー内容 |
大正初期、時代の狭間の混沌とした空間を生きる『化粧師』と言う名の魔法使いが人の心を癒し、変える物語。
春の瑞々しさが溢れる背景に、絢爛で虚飾な大正の風景を薄墨のように柔らかく..日本画の様に鮮やかに表現。冒頭からその映像美に眼を奪われる。日本映画の秀麗な場面ばかりを集約した、華のような作品。 絶妙な『間』と語り口や、薄紙を当ててなぞるかの様な展開は、明快さこそ無くとも観る側をそっと引き込む魅力がある。 ニヒルな雰囲気を持つ『化粧師』小三馬は、どこか異邦人の様に異質な色を持っている。それは、彼のある“秘密”の為。周囲が毀誉褒貶するのも“秘密”があっての事だろう。届かぬ想いと知りながら、彼に憧れる純江の姿は痛々しくも、健気で美しい。 聾唖の少年との交流も、仄かな温もりが心地よい。少年は彼の秘密を知っているのだろうか? 耳聾の小三馬と、囀ったメジロ……大空を目掛けて羽ばたいたメジロは、女性達の心。そして、小三馬の気持ちの様に感じられた..。
忙しい女性にこそ、是非観て貰いたい一作。 |
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