みんなのシネマレビュー
怪談(1964) - マーク・レスターさんのレビュー
◆検索ウィンドウ◆

◆ログイン◆
メールアドレス
パスワード

◆ログイン登録関連◆
●ログインID登録画面
●パスワード変更画面

◆ヘルプ◆
●ヘルプ(FAQ)

◆通常ランキング◆
●平均点ベストランキング
●平均点ワーストランキング
●投稿数ランキング
●マニアックランキング

◆各種ページ◆
●TOPページ
●映画大辞典メニュー
●アカデミー賞メニュー
●新作レビュー一覧
●公開予定作品一覧
●新規 作品要望一覧照会
●変更 作品要望一覧照会
●人物要望一覧照会
●同一人物要望一覧照会
●関連作品要望一覧照会
●カスタマイズ画面
●レビュワー名簿
●お気に入り画面
Google

Web www.jtnews.jp

タイトル名 怪談(1964)
レビュワー マーク・レスターさん
点数 10点
投稿日時 2003-11-12 23:20:44
変更日時 2003-11-12 23:22:08
レビュー内容
昨今の、安っぽい ハッタリを利かせたホラー物とは、明らかに一線を画す怪作です。

恐怖を暴力的に振り回すのではなく、小泉八雲の「怪談」の世界を「超アナログなSF」として捉え、非現実世界を舞台に、真剣に「耽美・妖美」に向き合った映画なのです。
水の中に落とされる黒、赤のインクの不穏で不吉な美しいオープニングから圧倒されました。
特にオムニバス形式の1話と2話は仰天モノです。

第1話の「黒髪」は非物理的なものと肉体的なものの対比がおもしろかった。
心や精神(この場合は執着、怨念)という非物理的なものは残存し、時間の経過の前には肉体(そして家屋)という物理的なものは脆くも朽ち果ててしまった というお話。
ラストは妻の肉体の崩壊が発覚するとともに家屋の老朽も露呈。
その家屋を次なる崩壊へと促進するのが、とりもなおさず妻を死に追いやった主人公なのだ。
恐怖から逃れるためにバリバリと家屋を壊しながら自らも老朽していく恐怖は 凄まじい。
妻の肉体崩壊の発覚を期に家屋崩壊と自らの肉体崩壊がリンクしていくのです。
「執着の残存」と「家屋や肉体の老朽と崩壊」この図式を際立たせる為に、あの不必要なほどでかいセットが必要だったのですね。
しかもメロディを廃した、精神的キシミ、肉体的・物的キシミをデフォルメしたあの音楽!(60年代の大島渚のあの凄まじい作品群は 美術・音楽ともにこの映画の存在が大きいことを今さらながら発見しました。)

第2話の「雪女」は悲しい母性の物語であり、悲しい恋の物語と感じました。
目的は監視だったのでしょう。ホリゾントに浮かぶ眼がそれを示していると思います。
それが男と姑の人間性に触れて結婚。子供まで設けてしまう。
ささやかな幸せの毎日。しかしそれも永遠ではなかったわけです。
とうてい男を殺せるわけもなく、子供を案じながら家を出ていく彼女の姿が、哀れで、いとおしく感じてしまいました。
男がソッと置いたわらじも雪の中、フッと消えていきました。
きっと、ささやかながら、穏やかだった幸せの証として、感謝しながら持って行った。と私は思いたい。


マーク・レスター さんの 最近のクチコミ・感想
投稿日付邦題コメント平均点
2013-07-27ディア・ドクター87.05点
2013-04-03ハート・ロッカー96.23点
2013-04-03ゴッドファーザー PART Ⅱ98.35点
2011-05-14サマーウォーズ76.38点
2010-08-08洲崎パラダイス 赤信号98.16点
2010-04-30スラムドッグ$ミリオネア77.09点
2010-02-13ベンジャミン・バトン/数奇な人生86.50点
2009-12-27見知らぬ乗客76.85点
2009-10-20おくりびと87.04点
2009-08-19ウォーターボーイズ77.01点
怪談(1964)のレビュー一覧を見る


Copyright(C) 1997-2024 JTNEWS