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タイトル名 |
髪結いの亭主 |
レビュワー |
梅桃さん |
点数 |
7点 |
投稿日時 |
2004-03-09 19:48:20 |
変更日時 |
2008-01-24 16:22:13 |
レビュー内容 |
…彼女はなぜ自ら命を絶ったのか? …家族のいないマチルドは、幼い頃から誰かに無条件に愛してほしかったんじゃないかしら。 愛情に飢えてたのよ、きっと。 だから自分にホレまくってるオッサンとあんなに簡単に結婚したのよ。 「この人なら一生私を大切にしてくれる」って信じて。 実際にアントワーヌは彼女を大切にしてくれたわけだけど、いったん幸せを手に入れたら今度はそれを手放すのが恐ろしくなって…。 それにマチルドは彼が彼女自身を、ではなく「髪結いとしての彼女」を愛してるってことを、うすうす感じ取ってたんじゃないかしら? もちろんアントワーヌに悪気があったとは思わないし、彼自身はそんなこと気づいてもいなかっただろうけど。 …これ以上の幸せを望めないなら、いっそ今幸せの絶頂で死にたい…自分勝手なのはもちろんなんだけど、アタシは逆にこの行動に「あー、マチルドは今までずーっと淋しさと孤独に耐えてきたのね」って切なくなっちゃったわ。 親からの無条件の愛を受けてないと、愛情に貪欲になるっていうか…こういう人、アタシはけっこういると思うわ。 幼い頃に愛情を受けてないと、どうやって愛情を与えればいいのかもわからないから、自分が自殺したらアントワーヌが…なんて考える余裕もないのよ、きっと。 というわけで、あの奇妙なダンスも毛糸の水着(サクランボ付き)もとってもかわいかったんだけど、一抹の切なさが残るの。 いや、ちがうな、あのダンスと水着がいたたまれなくなりすぎるのを和らげてるのかしら。 とにかくなんだか切ない雰囲気の映画だったわ。 |
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