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タイトル名 |
10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス |
レビュワー |
夢の中さん |
点数 |
8点 |
投稿日時 |
2004-02-22 13:21:37 |
変更日時 |
2004-02-23 00:52:36 |
レビュー内容 |
巨匠知らずの私には非常に非常にありがたい。この小作品集のお陰で観たい作品が一気に増えました。30歳にもなると、こういった作品群を面白いと思えるようになるのねん。10年前だったら、「わけわかんね」で終わっていただろな。エリセに出会えた事に感謝!!①カウマリスマキ=10分という非常に足り無い時間。しかも主人公は、この10分に走らないし、間を持つし、説明しないしっ。もうちょっと焦れっ!!まさか人生の選択をこの10分間に試しているの?観ているこっちがハラハラ・ヤキモキさせられた10分でした。秀作。②ビクトル・エリセ=この監督は詩人ですか?母親の寝汗にスペインの田舎の暖かな空気を感じ、布団の匂いを感じました。赤ちゃんの血の染みに、生暖かい血の匂いを感じました。子供が腕に時計を書く姿に鉛筆の味を感じ、草刈に草の匂いを感じました。これほど5感に訴えてくるとは。最後に母親が赤ちゃんを嬉しそうに眺める顔に幸せな気分になりました。そしてナチスの記事が水にぬれてゆく…。ナチスすらも彼らの幸せの根本を揺るがすことはできないという象徴に感じました。素晴らしい作品。③ヴェルナと⑥スパイク・リー=せっかくの機会だからと、ドキュメンタリーに挑戦してみたという感じかな?映画に対する挑戦というよりも、監督自身の挑戦という感じでした。④ジャームッシュ=女優がスタッフに因って休憩を邪魔されながらも嫌そうな顔一つしないのに、食事にタバコを押し付けるという、非常に淡白な視点に「ほほう」と感じました。人の自然に「在る姿」についてリアリズムの視点を持つ監督だと思う。彼の人間追求に興味を持ちました。⑤ヴェンダース=「ラスベガスをやっつけろ!」10分バージョン。ドラッグ状態の特殊感を平常状態の視点で何処まで表現できるかを追及したんだね。⑦チェン・カイコー=正直拍子抜けしましたが、何故かホッとしました。他の作品に比べて劣る気がしましたが、作品に優劣をつけている自分がちょっと嫌ン。いいじゃん、コレで。 |
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